このコーナーでは、チベットに関する豆知識をわかるやすくお知らせします
チベット仏教の特徴に「化身ラマ」の存在があります。衆生を導くために何度も人間の姿に転生を繰り返す高僧のことで、転生ラマとも言います。生まれ変わりの幼い化身ラマ(と思しき子供)は、上位のラマから認定されなければならず、誰でも自由に化身ラマを名乗ることはできません。
さて、チベットで最高位の化身ラマが「ダライ・ラマ(観音菩薩の化身)」であることは広く知られていますが、序列二位の「パンチェン・ラマ(阿弥陀如来の化身)」のことはあまり知られていません。最高位であるダライ・ラマの転生者を序列二番目のパンチェン・ラマが認定します。一方のパンチェン・ラマの転生者はダライ・ラマが認定します。代々、太陽と月のように互いに支え合い、認定し合ってきました。
当代のパンチェン・ラマ11世は、伝統に従って認定されたゲンドゥン・チューキ・ニマ師と、彼を誘拐したままの中国共産党が独自に認定したギェンツェン・ノルブ師が併立しています。次代のダライ・ラマ(15世)を、中国共産党の傀儡とされるギェンツェン・ノルブ師が認定することを、多くのチベット人とチベットサポーターは心配しているのです。