このコーナーでは、チベットに関する豆知識をわかるやすくお知らせします

チベット高原に住む人々の主食はお米でもパンでもありません。では何を食べるのでしょうか。それはツァンパです。ツァンパとは脱穀した大麦を炒って粉にしたもので、日本で麦こがし、はったい粉と呼ばれている食べ物とほぼ同じものです。このツァンパにバター茶を加えてこねた物がチベットの主食で「バー」と呼ばれています。このバーには、バター茶のほかチーズや砂糖などを加えたり、地域によっては唐辛子を添えて食べることもあります。
バター茶は黒茶にヤクや羊のミルクを加えて煮出し、バターと塩を混ぜて攪拌したものです。乾燥した気候で失われがちな水分や塩分を効率的に補給することができ、バターの脂肪分がリップクリームの役割を果たすという生活の知恵が塩味なので外国人にとってはお茶というよりスープのような印象で、好みが分かれます。
チベットは高地のため稲や小麦の栽培に不向きで、寒冷な気候でも育つ大麦が主穀となりました。このため、チベットは世界で唯一の大麦を主食とする地域となり、チベット人によるチベット人の定義は「ツァンパを食べる人」だとされています。ツァンパは遊牧や巡礼という生活文化を支えチベット民族を象徴するソウル・フードです。
※「ツァンパ・イーター」と書かれたTシャツが中国統治下では販売禁止となりました。