大阪在住の中国文学者でスーパーサンガ会員の劉燕子さんが、このたび刊行されたチベットの詩人テンジン・ツゥンドゥの『詩文集 独りの偵察隊 亡命チベット人二世は詠う』の編訳を担当なさいました。その書肆データをここに紹介させていただきます。
ダライ・ラマ一四世と八万人の亡命から六十年。
インド生まれの亡命チベット人二世が詠う、魂の詩文集となっています。
詩文集 独りの偵察隊 亡命チベット人二世は詠う
著者:テンジン・ツゥンドゥ
編訳:劉燕子・田島安江
発行:書肆 侃侃房
判型:四六判/208ページ
定価:2,000円+税
ISBN 978-4-863853-64-5 C0098
作品紹介
独りの偵察隊
ラダックからは
チベットがチラッと見える
ドゥムツェの黒い丘が見えたら
そこからチベットだよ
初めて祖国を見たとき
大地の匂いを思いきり嗅いだ
土をしっかり握りしめた
著者(テンジン・ツゥンドゥ)より/本文著者インタビューより抜粋
ダラムサラはインドの北部、ヒマラヤ山脈ダウラダール山系の丘陵地帯にある小さな町です。そこはダライ・ラマ法王の公邸を囲んでチベット人が住み、チベット亡命政府があります。まさに、ぼくが作家・アクティビストになったのは、生まれながらにしてチベット難民という状況に置かれたからです。
著者プロフィール
テンジン・ツゥンドゥ(Tenzin Tsundue)
チベットの詩人、作家。フリー・チベットのアクティビスト。亡命チベット人2世として、1974年にインド・マナリの道路脇のテントで生まれる。ダライ・ラマ14世とともに亡命した両親は道路建設の重労働で疲れ果て誕生日が不詳(役所により三つの異なる記録)。ダラムサラのチベット人学校で学び、1997年に大学を卒業すると独りでインド西北部からチベットに潜り込むが拘束され「外国人」として強制送還。著書に Crossing the Border(1997)、My Kinds of Exile(2001)、Kora : Stories and Poem(2002)、Semshook : Essays on the Tibetan Freedom Struggle(2007)、Tsen-Gol: Stories and Poems of Resistance(2012)などがあり、フランス語などに訳されている。ムンバイ大学大学院英文学修士。