去る5月23日、東京護国寺さまの桂晶殿におきまして、当会の第2回結集が開催されました。
参加者は200名、僧侶は天台宗、真言宗、真言律宗、浄土宗、浄土真宗、日蓮宗、曹洞宗などからの参加がありました。
昨年来、世界的に高まるチベット問題への関心。しかし、日本国内では、メディアがこの問題に持続的な関心を示しきれず、市民の関心も次第に低下しつつあります。こうした中、同じ仏教徒として、この問題の平和的な解決を願う人々の集いである当会では、問題への関心を維持し、また問題の理解を深めるため昨年に引き続き結集を開催いたしました。
特に今回の結集には、ダライラマ法王はじめ亡命政府の特使として、中国政府との交渉に当たっているケルサン・ギャルツェン氏を特別講師に招いて、交渉の現状を知るとともに、解決に向けた法王猊下の理念や方法についての話しを聞くことが出来ました。
またチベット史・仏教の専門家である石濱由美子先生には、大変分かりやすい講演により、チベット問題の歴史的な経緯について理解を助けていただきました。
とりわけ、今回は開催の呼びかけに当たり、多くの市民の方の参加を得ることが出来たのは、当会にとって喜びであり、励みとなりました。また会場を提供してくださった上に、多くの物心両面に多大なるご支援を頂いた護国寺さまには当会一同心より御礼を申し上げます。
以下に、会の模様をご紹介いたします。
この度、当会の特別顧問にご就任された護国寺の岡本猊下のお話。
結集の特別講師、チベット亡命政府の特使ケルサン・ギャルツェン氏と、早稲田大学の石濱由美子先生による講演。また、ダライラマ法王日本代表部事務所のラクバ・ツォコ代表もかけつけてくださいました。
特使ケルサン・ギャルツェン氏の話には参加者からも強い関心が寄せられる。
「大国である日本には、チベット問題の解決に向けて大いに期待している」と挨拶する特使。講演では、中道のアプローチに基づいて、耐え難い苦難を忍びながら、中国政府とのねばり強い交渉の様子が、丁寧に語られた。チベットの人々の深刻な状況、積もる怒りが理解され、またそのような状況の中においても、中国政府のみならず、一般の中国人に対する働きかけの努力が多彩な形で進められていることを知りました。
しかし、状況を好転させるには、国際的な世論形成が不可欠であること、中国政府がチベット問題に真剣に取り組む政治的な環境が整えられることが必要であるとし、国際社会の支援を訴えました。聴講し、平和的解決がチベット人のみならず、中国にとっても大きなメリットになることが理解されました。
▲講師の話を熱心に聞く多数の参加者
◀宗派を超えた祈り
一日も早くチベットに平和が訪れますように。
この祈りの輪を保ち、広げていきましょう。