さる3月26日、東京の護国寺におきまして、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所主催、宗派を超えてチベットの平和を祈念し行動する僧侶・在家の会共催によります、東日本大震災の犠牲者の追悼と復興を祈念する特別法要が行われました。

挨拶をする当会代表

▲挨拶をする当会代表

護国寺には、時間前から多くの人々が集まり、法要の始まる午後1時には200名もの方々が本堂に集いました。
まず法要に先立って、護国寺の御貫主さまよりご挨拶を頂戴しました。つづいてチベット仏教の僧であり、医師でもあるバリー・カーズィン師より、チベット仏教の立場からの般若心経の概説の講話を頂きました。我が国でも、古くは亡き人の供養の為に経典の講讃が行われました。今日のような読誦だけではなく、その内容を講じたり、この講義を聞いたりして学ぶ功徳によって、亡き人の供養を願います。この度も、チベット、日本において崇敬される般若心経について講じていただいたこと、そのお話しを私たちが聞かせていただき学んだ功徳は大変に大きなものであり、すべての犠牲者に回向され、また復興に向ける人々にもその功徳力は回向されたものと存じます。とりわけ般若心経は、観自在菩薩の叡智を示す経典として、その功徳力は広大無辺なものであるとされ、チベットや日本でも、古くから自然災害や疫病が起こるたびに、国を挙げて唱えられてまいりました。この度も、ダラムサラにおきまして、ダライラマ法王様をはじめとする多くのチベット人の皆様が、日本のために10万遍の読誦をして下さっています。

その後、参加者の皆さまと共に、まずチベット訳による「般若心経」と「七句祈願文」、そして「四大の守り神への祈願文」などを3遍読誦いたしました。次に、漢訳すなわち日本人に親しい「般若心経」等を3遍読誦し、チベットと日本人の深い友情の誠を尽くして、犠牲者の御魂の安らかならんことを、そして被災地の方々の心の平安を祈念いたしました。
これらのチベット語訳と漢訳による般若心経を中心とする法要を、広島・龍蔵院さまよりかけ付けて下さったチベット僧と、護国寺様の方々、そしてご参列の200名の方々とともに営みました。チベット僧、護国寺の皆さま、そして参列の皆さまのお声が、経典の一句一句を丁寧にたどり、心をこめて唱えるうちにひとつになって、本当に有り難い法要となりました。法要中には、焼香も行われ、一人ひとりが心をこめてお香を手向けていました。きっと、皆さまの供養の心、祈りの心によって唱えられた功徳はお香の香りとともに善き働きとなって、亡き人の魂を善き世界に導き、大地を鎮め、苦難にある方々の悲しみや怖れを静め、立ち上がり生きていく力の援けとなるでしょう。

当会代表と事務局長、そして関東地区の幹事である僧侶も、皆さまとともに一心に唱え、お祈りいたしました。
特別法要の終わりに当たり、当会の林代表より参加者の皆さまに御礼のご挨拶があり、続いて法要の施主(主催)であるダライ・ラマ法王日本代表部のラクパ・ツォコ代表より、心のこもった弔意と、私たち日本人への深い友情に満ちた励ましのメッセージを頂きました。チベットの人々を支援する私たちにとってのみならず、多くの日本人にも届けたい言葉でした。

このような特別法要を開いていただいた、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所さまをはじめとしお集まり頂いたチベット人の皆さま、チベットサポーターの方々、そして護国寺さまには本当にありがとうございました。
どうか、ご縁の皆さまには、今後とも被災地のことを思ってお過ごしください。そのためにも、皆さまの日々の暮らしにおいて、不安で恐ろしい情報に惑うことなく、心の平安を保ち、思いやりの気持ちを忘れずに、皆さまお一人お一人のお立場、お仕事を大切にお過ごしください。当会といたしましても、全国に広がるネットワークを生かして、微力ながらも長い支援の方途を探って参りたいと存じます。東日本大震災によって犠牲となったすべての皆様のご冥福と、被災地の一日も早い復興を心より祈念いたします。

合掌