このたび平成30年(2018年)4月15日(日)午後2時からイーグレひめじ(地下1階)アートホールにおいて世界的に著名な仏教指導者の一人で1989年ノーベル平和賞受賞者であるダライ・ラマ14世の存在に迫るドキュメンタリー映画「ダライ・ラマ14世」を上映会とチベット仏教に詳しい姫路在住の僧侶によるお話しの会が開かれることになりました。
本イベントに先立ち3月13日に姫路シティFM「FM GENKI(http://fmgenki.jp/)『夕方交差点GENKIもってこい(火曜日)』に出演された映画『ダライ・ラマ14世』上映会 in 姫路実行委員会」代表の月ヶ瀬さんと書寫山圓教寺執事長でスーパーサンガ副代表の大樹玄承さんによる放送内容を文字にて再現いたしました。
映画「ダライ・ラマ14世」上映会 in 姫路
平成30年(2018年)4月15日午後2時から
入場料:2,000円(映画パンフレット付き)
場 所:イーグレひめじ(地下1階)アートホール
JR姫路駅から姫路城(北)の方へ歩いて約600メートル(大手前公園南側)
主 催:「ダライ・ラマ14世」上映会in姫路実行委員会
協 力:スーパーサンガ、利他利他有興会、ひめじ芸術文化創造会議
申込先:ひめじ芸術文化創造会議(担当:月ヶ瀬)
☎ 079-280-1296 姫路城下町ギルド内 d14@adreve.net
姫路シティFM「FM GENKI(http://fmgenki.jp/)」放送 3/13(火)だいたい16:15〜16:30
杉山ひろこ 「夕方交差点GENKIもってこい!火曜日」ここからはゲストコーナーです。今日スタジオにお越しいただいたのは、「映画『ダライ・ラマ14世』上映会 in 姫路実行委員会」代表でもいらっしゃいまして、また「ひめじ芸術文化創造会議」の代表でもいらっしゃいます、月ヶ瀬悠次郎さん。そして今日はなんと、書寫山圓教寺から執事長でいらっしゃいます大樹玄承さん、もう「さん」と呼ばせていただくのがドキドキしてしまうんですけれども、大樹先生にもお越しいただきました。よろしくお願いします。こんにちは、もうお会いしたかったですぅぅぅ、「うふっ」っていう風にね、笑ってもらいましたけれども。さあ、今日はどのようなお話をお伺いできるのでしょうか。
月ヶ瀬悠次郎 知りあいから、「ダライ・ラマの映画があるらしいねんけど、福岡でやるみたい。見たいねんけど遠いなぁ」という話を聞いて、その日のうちに「よし!姫路でやろう」ということで、その日のうちに決まった企画でございます。映画『ダライ・ラマ14世』という作品があるので、姫路で上映してみようかという企画でございます。
杉山 はあ、『ダライ・ラマ14世』という映画ですね? この上映会が姫路で行われるということで、日時を詳しく教えてください。
月ヶ瀬 来月の半ば、4月15日日曜日のお昼14時から、だいたい3時間ちょっとぐらいの予定にしています。
杉山 4月15日日曜日は、この『ダライ・ラマ14世』という映画を見るだけですか?
月ヶ瀬 簡単な、チベット仏教に詳しいお坊さんとかに「チベットってどんなとこ?」とか「チベット仏教ってどんなん?」というのを、映画の前にちょっとだけ前説と、映画を見終わった後で質問とかも受付られるようなコーナーがあったらいいかなと思っています。
杉山 なるほど。では、この映画を見るだけでなく、ちょっとお話も聞くことができるのですね。場所は?
月ヶ瀬 場所はですね、まさにこのFM GENKIのあるイーグレひめじの地下1階アートホールでやろうと思っています。
杉山 この放送をお届けしておりますFM GENKIは地下2階、そのいっこ上、地下1階アートホールで行われます。料金はおくらでしょうか。
月ヶ瀬 料金はですね、ちょっと高いという声もあったんですけど、パンフレットつきで2000円でさせていただこうと。
杉山 そうなんですね、パンフレットがつくんですね。豪華ですね!
月ヶ瀬 まあまあ立派なパンフレットなので。お値打ちやと思いますよ。
杉山 はい。そしてなんと学生さんは割引があると?
月ヶ瀬 はい、200円引きにさせていただこうと思っています。
杉山 この『ダライ・ラマ14世』の映画を見たいなと思われた方、4圧15日日曜日イーグレひめじ地下1階のアートホール、来たいなと思われた方はどこに申し込んだらいいですか?
月ヶ瀬 そうですね、お電話やったら、私がやっている「ひめじ芸術文化創造会議」が事務所を置かせてもらっています姫路城下町ギルドさんに電話を。079-280-1296 に電話していただくと予約ができます。
杉山 なるほど、そうなんですね。あのう、大樹先生、うふふ…、あのう、私、ダライ・ラマ14世というと、たぶん、浅い知識しかないんですけれども、この映画を見ることによってと言いますか、姫路のみんなにどういうところを見てもらいたいというのは、あったりしますか?
大樹玄承 そうですね。チベットっていうと、まだご存知ない方は一つの独立国として存在している国という風に思われている方もいらっしゃいますし、その歴史もわかると思うんですけれども、非常に仏教国でですね、いろんな方が当然いらっしゃいますけども、ダライ・ラマがすべての政治であるとか、宗教とか、そういうものの一つの大きな柱なんですね。まあ、今現在は政治の面は別の方がいらっしゃるんですけれども、こういうダライ・ラマを中心として積み上げてきた歴史の中でですね、総体的には穏やかな国というイメージ。そういう人たちが今非常に、文化とか宗教的な価値観とかが、ある力で潰されようとしている。そういう歴史も知っていただきたいということなんですね。
杉山 歴史から学ぶとより深く知ることができるんですね。
大樹 そうです。「よその国のこと」ではなくて、自分の環境であるとか、そういうものにあてはめてみると非常によくわかりやすいとは思うんですけれども。
杉山 はああ、自分の置かれている環境に照らし合わせる?
大樹 そうですね。今まで自分が普通と思ってやってきた習慣とかそういったものが、明日から「やってはいけないよ」という風になる。
杉山 ええ?!
大樹 そういうことですよね、簡単に言いますと。それはもう民族の終わりとも言えるわけですよ。
杉山 そんな、いきなりな制圧を受けたら泣いちゃいますね。えへへへ。
大樹 当然、昔は戦争があって、侵略をしていって、奴隷制度で押さえつけたりとか、いろんなことがあったんですが、近代になって、太平洋戦争のあと、そういうことはほぼ無くなってしまったり、植民地自体が世界中から無くなってしまったりしているなかで、いわゆる日本の戦後にこういうことがまだまだ世界のある地域では起こっているということですね。
杉山 日本の中で生きていると、本当にあたりまえに思っているところが、一歩世界に出てみると、ずいぶんと違うものになっている?
大樹 そうですね…。日本においては、例えばある問題のことに「賛成です!」と騒いでも、「反対です!」と騒いでも、自由な発言のある国ですから罰せられることは多分ないです。よっぽどのことでもないかぎり。だけども、これしか言ってはいけないというわけです。そういうことすら、日本人の感覚から想像できないエリアなのだと思います、このチベットというのは。
杉山 はあ…、そうなんですね。そしてまた、この『ダライ・ラマ14世』の上映会日にちのチラシと言いますか、これを見ていると協力に「スーパーサンガ」とカタカナで書いてあるんですけど、「スーパーサンガ」、何かごっつい強いヒーローみたいな感じになっていますが、これはどういった方たちなのでしょうか。
大樹 これができたのは2008年の北京オリンピックがございましたね。あの時世界中で聖火リレーを”妨害”というよりも、あの聖火リレーの中で「フリーチベット」というデモとかアピールが非常に多かったんです。2008年の4月、5月というのは、日本中でもあちこちで「チベットに平和を」というようなデモ行進がかなりありました。それは今まで、例えば学生時代にそういうことをやっていたとか、そういうことではなくて、普通のお家の奥様方が自分たちにも何かできることがあるんじゃないかという風に始めた、ピースウォークというか、そういうデモがかなりあったんです。ですから、覚えていらっしゃる方はかなりいらっしゃると思うんです。まず、昔チベットの人たちは、「日本って同じ仏教の国でしょう、じゃあ助けてあげなきゃ」というようなことが実際にあったんです。戦争中にですよ。でも、そういうことは日本ではあまり知らない。同じ仏教徒であると言われている我々が、チベットに対して何の協力もできない。知っているけれど、見ているだけで何もできないというのは、非常に見て見ぬふりをするみたいなね、そういう気持ちを持った人たちが、日本で言う〇〇宗とかどのエリアだとか関係なしに集まって行動を起こそうとした、そういう会なんです。まあ、お坊さんたち。ですから、私は天台宗ですけど、天台宗を動かそうとすると大変なことなので、そうではなくて、いろんな宗派の人たち、ひいてはお坊さんでなくても「たくさんの人たちがチベットのことを思っているよ」ということが、彼らには大きな支えになっていくわけですね。
杉山 宗派とかではなく、ということですね。はあ! それが「スーパーサンガ」というみなさん。
大樹 そうですね。まあ、呼びやすい名前に。
杉山 カッコいいですね! うふふふ…。
月ヶ瀬 本当は長い。
杉山 長いんですか?
月ヶ瀬 「宗派を超えてチベットの平和を祈念し行動する僧侶・在家の会」というんですけど、まあまあ長いので「スーパーサンガ」ということなんです。
杉山 チベットという、違う所ではありますけれども、気持ちと言いますか…。
大樹 人間として、考えていることはやっぱり「平和でありたい」とか、「親がやってきたことを、俺たちもやりたい」とか、そういう、自分たちが親から伝えられたことを子どもに伝えたいとか、そういうのは、どういう国に行っても、どのエリアにしても、かなりそれは大事なことなのだろうと思うんですが、それができないというわけですよね。
杉山 それをできないというところを、このダライ・ラマ14世が、何て言うんですかね、取り仕切るではないですけれども、中和、トゲトゲした人と望んでいる人との間に入るということですか。
月ヶ瀬 うーん…。基本的に暴力とか、やられたらやり返すとか、そういうことは絶対にしてはいけない。そうではなくて、ちゃんと理性的に対話をして、話し合いをして、相手のことも、殴りかかってくる人のこともちゃんと認めて、問題を一つずつきっちり解決していきましょう。そういう姿勢を絶対に崩さない方です。ダライ・ラマ法王という人は。
杉山 なるほど。この映画、上映時間がおよそ116分となっていますが、この中ではいろいろなことを感じれそうですね。
月ヶ瀬 そうですね。僕はスーパーサンガのお手伝いをしながら「チベットサポーター」ということを名乗ってきたんですよ。そして全国にもチベットサポーターという人は多いんですけど、この映画を見て僕は、チベットサポーターと名乗ることをやめようと思ったんです。それはチベットを嫌いになったというのではなくて、僕らはチベットサポートと思っていろんなことをチベットにしてあげているつもりだったんだけど、振り返ってみたら、チベットの人たちから僕らがもらっているものはめちゃめちゃ多くて、してあげられていることなんてほんのちょっと。「ちょっと知ってください」と映画をすることぐらいで。精神的な支えであったり、考え方のチャンネルの切り替え方であったり、そういったものを一つの文化としてダライ・ラマという今は14世の法王様がほんとうに一人で支えているような方なので。別にチベット仏教がめちゃめちゃ素晴らしいから、みんなで信徒になりましょうとか、灌頂(かんじょう)を受けましょうとか、そういうことではなくて。生まれながらにそういう宿命をおって、たったひとりで中国を相手に戦ってきたり、世界の人に「知ってください、知ってください、知ってください」と頭を下げ続けて人生を過ごしてこられた方が、今はもうおじいちゃんですよ、はっきり言って。もういつ亡くなるかわからないぐらいのお年になっているんですけど、その時にどういうことを感じておられるのか。自分が死んだあと何を残そうとされているのか。そういうことをちょっと受け止めてみたいなという映画です。
杉山 ふーん、そうなんですね。「平和」というと、大きくて、大きくて、どういったものが自分にとっての平和なんだろうっていつも思うんですけど、それは人それぞれだと思うんですけれども、この『ダライ・ラマ14世』という映画を見ることによって、チベットという国も踏まえてですけれども、平和というのをもう少し真剣に考えられるのではないかなと思いました。
月ヶ瀬 そうですね。チベットというのは弾圧されて、自由がなくて、かわいそうな国。僕ら日本人は豊かだから支援してあげましょうという意味でチベットサポーターをやっていたんです。けれど、よくよく考えると、日本人はこんなに豊かなのに自殺者もたくさんいるし、あまりみんな幸せそうじゃないんですよ。何か嫌なことがあったとか、「私人生の終わりやわ…」とか、ちょっとしたことでくじけてしまったりする。それはなんでなんかなというのを考えた時に、この映画の中でも法王様はそういうことに触れられて、ちょっと日本人も考えてみませんか、一緒に考えませんかと。チベットがとてもかわいそうだから助けてくださいという話は全然ないですね、そういう意味では。むしろ僕たちが、例えば仕事場で同僚と喧嘩して、朝「またあいつの顔を見て仕事行くん嫌やなあ」とか、そういう気もちの日もあるじゃないですか。そういう時にどうやって心の折り合いをつけていったらいいかという、ひとつの考え方のヒントみたいなものをもらえるかなという映画です。
杉山 なるほど。ちょっとした、見方を変えれるヒントが見つかるかもしれませんね。「映画『ダライ・ラマ14世』上映会 in 姫路」、4月15日日曜日です。午後1時30分開場。2時から前説がありまして、2時20分から上映開始。その後講演、まあ仮の題名ですが「チベットを知ろう」ということでお話が聞けたりもしますので、ぜひ4月15日日曜日イーグレひめじ地下1階で行われます「『ダライ・ラマ14世』上映会 in 姫路」にお越しください。今日はその実行委員会の代表でいらっしゃいます月ヶ瀬悠次郎さん、そして書寫山圓教寺・執事長でいらっしゃいます大樹玄承さんにお越しいただきました。ありがとうございました。